民謡とは何か?

民謡とは何か?

島添貴美子 著

音楽之友社 2021年2月

はじめに――民謡とは何か

 民謡という名の謎/本書で扱う民謡の範囲/本書の構成

トピックス1 民謡とコミュニティ――平成時代のフィールドでみえたもの

第一章 最期に立ち会う

 世紀末的な調査の依頼/新曽新田と観音経/板ばさみ/観音経の醍醐味/最期の日/記録に残すということ/振り返ると

第二章 うちの祭りが一番

 「ちょっとの違い」は誤差ではない/奄美大島の八月踊り/富山と曳山の獅子舞/ちょっとの違いがアイデンティティとなる

トピックス2 民謡調査とメディアの萌芽期――大正時代から昭和時代前期

第三章 フィールドワーカーの横顔

 町田佳聲と柳田國男/民謡採集旅行/フィールドで「民謡」に出会うには

第四章 NHKと日本民謡大観

 番組素材としての民謡/NHKの民謡調査/日本民謡大観事業

第五章 民謡・舞台・メディア

 「本当の民謡」はどんな歌か/「本当の民謡」の演出/民謡の近代化

コラム 頭の中に描く民謡地図

トピックス3 民謡の魅力――伝播論

第六章 伝播論再考

 歌のふるさと/民謡の伝播のたどり方/伝播論の条件

第七章 美しい物語――ラッパ節・炭坑節・十九の春の伝播論その1

 ラッパ節と炭坑節/ラッパ節から十九の春へ/ラッパ節の伝播は複雑

第八章 伝播論はどこまで証明可能か――ラッパ節・炭坑節・十九の春の伝播論その二

 歌詞からみた系譜をフシからみる/ラッパ節と北九州炭坑節/ラッパ節と与論・沖縄のラッパ節系の歌/伝播論の限界

トピックス4 民謡の核としての仕事歌――臼歌を例に

第九章 菅江真澄と臼歌

 江戸時代の民謡集/菅江真澄と柳田國男/菅江真澄は臼が好き?/菅江が描く臼歌/酒造りにおける臼歌

第十章 仕事歌の王様、臼歌

 どこまでが仕事歌か/臼の種類と臼仕事/臼歌にみる仕事歌の特徴/臼歌に込める思い/臼歌の歌い方/なんてことのない歌、仕事歌

コラム 歌い継がれてしまった男

トピックス5 民謡のイメージ形成――明治時代

第十一章 「民謡」という言葉のはじまり

 漢語としての「民謡」/訳語としての「民謡」/「民謡」が意味するもの

第十二章 民謡が「民謡」と呼ばれるようになるまで

 文学における「民謡」/俗謡・俗曲と民謡/「民謡」集

第十三章 本当の民謡

 国楽創成と民謡/明治時代における俗楽の評価/「民謡」の受け入れ先/民謡と民俗学/本当の民謡

コラム あの世とこの世をつなぐ

第十四章 ふたたび、民謡とは何か

 民謡は「素朴な民の歌」/民謡の真正性/ギャップを埋める

あとがき

参考文献

金井隆之 音楽レッスン

青梅 / オンライン 【声楽】【ギター】【ボイトレ】【音楽理論】